貸事務所を探すにあたって、立地や広さ、設備を気にかける方は多いでしょう。
しかしながら、貸事務所を選ぶ際には、まず抵当権の有無を確認することが大切です。
そこで今回は、抵当権付きの貸事務所とは何か、借りるときの注意点について解説します。
事務所の賃貸借契約を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
抵当権付きの貸事務所とは
抵当権とは、何らかの貸し借りにおいて、借主が債務不履行に陥った場合、貸主を守るために債権を回収できる権利です。
貸し借りが生じると貸主には債権が発生しますが、さまざまな事情で債務の返済が難しくなることもあり得ます。
このような事態では、貸主はどうにかして債権を回収したくても、債務の返済ができない借主から債権を回収するのは不可能です。
そこで、抵当権を設定しておけば、貸主は担保となった不動産を換金して債権を回収できます。
なお、抵当権設定契約を結ぶことにより、抵当権を設定された不動産は債務者の意向で抵当権行使よりも先に勝手に売却できません。
つまり、抵当権付きの貸事務所とは、その不動産が借金の担保になっているという点を理解しておきましょう。
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抵当権付きの貸事務所を借りる際の注意点
貸事務所の利用は不動産を購入するわけではないため、抵当権付きだからと言ってそれほど関係はないように感じるでしょう。
しかし、入居している貸事務所の抵当権が実行されると、急なオーナーチェンジが発生するリスクがあります。
もしも、オーナーの債務不履行によって不動産が競売にかけられると、6か月以内の退去を命じられる可能性もあるので注意が必要です。
退去とまではいかずとも、オーナーチェンジによって貸事務所の管理方針が変わる可能性もあります。
これまでのオーナーでは認められていたリフォームなども、許可が得られずに実施できなくなるリスクがあります。
また、敷金が返ってこない可能性があるのも注意点です。
入居していた抵当権付きの貸事務所が競売にかけられると、前オーナーに支払った敷金は新オーナーへ引き継がれません。
前オーナーに対して敷金返還請求が可能ではあるものの、債務不履行で競売にかけられている時点で、支払い能力がないケースも十分に考えられるでしょう。
そして入居を続けるのであれば、新オーナーと新たに賃貸借契約を結び直すため、あらためて敷金を支払わなければなりません。
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まとめ
抵当権付きの貸事務所とは何か、借りるときの注意点を解説しました。
抵当権付きの貸事務所とは、その事務所が借金の担保であることを意味します。
そのため、入居を検討する際には、急なオーナーチェンジや敷金が返還されないリスクがあるので注意しましょう。
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