相続などで不動産を所有しても、用途がなく空家となってしまうケースは多いです。
ただ、空家は適切に管理していないと、特定空家に指定されて大きなリスクを負う可能性があるので、注意しましょう。
今回は、特定空家について、認定基準やリスクも含み解説します。
特定空家とは？認定された特定空家と通常の空家との違い
親族などから家を相続した場合、用途がなく空家となるケースは多いですが、特定空家には注意が必要です。
特定空家とは、人が住んでいない空家のうち、法律上放置し続けるべきではないと判断された家です。
2015年5月26日、倒壊などの危険性がある空家を減らし、適切な管理と活用を促すべく「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定されました。
この法律において、国土交通省の定める基準を満たした空家が、特定空家に認定されます。
法律上での、特定空家と通常の空家との大きな違いは責任内容です。
通常の空家を所有する際の責任内容は、周辺の生活環境に悪影響を与えないように適切な管理に努めることとされています。
一方、特定空家の所有については、建物の解体や修繕、植物の伐採といった措置を講ずる、行政代執行時の費用を負担することなどが責任内容に含まれます。
特定空家の認定基準とは
特定空家に認定されるのは、次の4つの状態のいずれかに当てはまると判断された場合です。
まず、衛生上有害となる恐れがある状態です。
建物・設備の破損だけでなく、ごみの放置や不法投棄が原因となるケースもあります。
また、建物の倒壊といった安全上の危険がある状態も特定空家の認定基準のひとつで、屋根や外壁が老朽化し、脱落する恐れのある場合などが当てはまります。
次に、周辺住民の生活環境を妨げている状態です。
たとえば、動物が住み着いて近隣の住宅で鳴き声や糞尿の被害が生じ、迷惑をかけているケースがこれにあたります。
最後に、景観計画やルールに適していない状態です。
景観法などに基づいて景観計画が策定されている場合に、空家が制限に則っていないケースなどが例として挙げられます。
特定空家に認定されるリスクとは
特定空家に認定されると、固定資産税の特例措置から除外されるので、税金の負担が増加するリスクがあります。
都市計画税も同様に、特例の適用外となるため負担額が増加します。
また、自治体から改善を促すための行政指導を受けても改善しない場合には、行政代執行で強制解体されるのもリスクのひとつです。
この場合、行政指導に従わなかったことに対する過料と、解体費用を支払わなければならなくなります。
まとめ
以上、特定空家とは何なのかを解説しました。
特定空家とは、衛生上有害である、安全上の危険があるといった認定基準を満たした場合に認定される空家です。
認定されると、税負担の増加や強制解体などのリスクがあるので、適切な管理を心がけましょう。
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